私たちは、毎日さまざまなことを考えながら生きている。
お昼に何を食べようか、といった日常的なことから、
10年後、どんな生き方をしたいのか、といった人生に関わることまで。
私は、自分の考え方がどこから生まれているのか考えてみたことがある。
本。
SNS。
周囲にいる人。
映画。
振り返ってみると、自分の考え方は、
自分一人で作っているようでいて、
実は日々触れているたくさんのものから影響を受けていた。
もちろん、そのすべてを受け入れているわけではない。
「いいな」と思う考え方もあれば、
「私は少し違うな」と感じるものもある。
「自分の考え方」とは、
そうやって外から思考の材料を集め、
自分なりに咀嚼しながら、
少しずつ形作られてきたのだと思う。
「外から思考の材料を集める」と言っても、その役割はさまざまだ。
私の場合、大きく分けると二つある。
一つは、自分にはなかった考え方や価値観を教えてもらうこと。
もう一つは、自分の中にぼんやり存在していた考えを、
誰かが言葉にしてくれることだ。
まずは、一つ目について話してみたい。
自分にはなかった考え方や価値観に出会うこと。
これは頻繁にあるわけではない。
だからこそ、出会ったときのインパクトは大きい。
数年前、マズロー安達さんの「結果出す人の思考レベル」という図解に出会った。
当時の私は、
「やりたいことを仕事にしたい」と考えていたものの、
「結果が出ていないから、自分はダメだ。」
「行動していないから、自分はダメだ。」
そんなふうに考えていた。
しかし、この図解に出会ったことで考え方が変わった。
「やりたい」と思うこと、
その気持ちを言葉にすること、
そして行動に移すこと。
これらは結果へ向かうための大切な過程なのだと知った。
現実そのものが変わったわけではない。
結果が出ていないという事実も変わらない。
それでも、「結果が出ていない私はダメだ」ではなく、
「私はまだ途中なんだ」と考えられるようになった。
この図解との出会いは、私の現実の見方を大きく変えてくれた出来事だった。
もう一つの役割は、
「言葉にしてもらうこと」だ。
本を読んでいても、誰かの発信を見ていても、
「新しい考え方を知った」
というより、
「そう、それが言いたかった!」
と思うことの方が多い。
頭の中には何となく存在していたものの、
うまく説明できなかった考えや違和感。
それを誰かが言葉にしてくれることで、
自分が何を大切にしたいのか、
何に違和感を覚えていたのかが、
以前よりはっきり見えてくる。
考え方の解像度を上げてくれるだけでなく、
自分自身について知るきっかけにもなっているのだと思う。
新しい知識を得る。
新しい物の見方や考え方を知る。
それ自体はとてもいいことだ。
しかし、それだけでは現実までは変わらない。
私は、新しい考え方や意見に触れて心が動いたとき、
「私だったらどうするだろう?」
と考えるようにしている。
この考え方は、どんな場面で活かせるだろうか。
これまでの経験で、
この考え方によってうまくいったかもしれない場面はあったか。
次に同じような場面があったら、どう行動するか。
そんなふうに、
自分の具体的な状況をイメージしながら考えてみる。
外部から新しい考え方を手に入れ、
自分の状況に当てはめ、
実際の行動に落とし込む。
その考えを、実生活で何度も使ってみる。
これを繰り返すことで、
「誰かの考え」だったものが
少しずつ「自分の考え」になっていく。
その積み重ねが、日々の行動を少しずつ変えていく。
私は、できるだけさまざまな価値観に触れることを大切にしている。
そのために本を読み、人の話を聞き、映画を見る。
新しい知識を増やすためだけではなく、
自分の思考を育てるために。
そして、その思考が少しずつ現実を動かす土台になると信じている。
