「苦にならないこと」が教えてくれる、自分に合う場所

自分の強みに自分で気づくのは難しい

働き方について考えるとき、
つい「何がしたいか」や「どれくらい稼げるか」を基準にしてしまうことがあります。

もちろん、それも大切です。

生活を続けていくためにはお金が必要だし、
興味のあることに関わっていたいと思うのも自然なことだと思います。

ただ、実際に長く働いてみると、
それだけでは説明できない「合う・合わない」があることに気づきます。

同じ仕事をしていても、ある場所ではひどく消耗するのに、
別の場所では驚くほど自然に動ける。

頑張っているのにうまくいかないとき、
私たちはつい

「自分の能力が足りないのかもしれない」
「やる気が足りないのかもしれない」

と考えてしまいがちです。

でも、本当にそうなのでしょうか。

もしかすると、
能力や性格の問題ではなく、

「自分の強みが活かせる場所ではなかった」

だけかもしれません。

得意なことほど、自分では価値だと思えない

自分にとって苦ではないこと。
無意識にずっとやってしまうこと。
自分では普通だと思っているのに、人に褒められること。

そういうものの中に、
自分の強みが隠れていることはよくあります。

厄介なのは、
自分の強みに自分で気づくのは難しい、ということです。

得意なことほど、
自分では本当の価値が分かりにくいものです。

ですが、努力している感覚が薄いものほど、
強みである可能性があります。

たとえば、私は昔から
情報を整理して、人に分かりやすく説明することが
あまり苦ではありませんでした。

文章を書くときも、
「何をどういう順番で伝えれば分かりやすいか」
を考えることは、かなり自然にやっていることです。

読んだ人がどこで迷いそうか、
どこに違和感を持ちそうか。
言葉の温度がずれていないか。

そういうことを、
無意識にずっと気にしています。

自分の中ではそれが普通だったので、
長い間、それを「強み」だとは思っていませんでした。

文章を書くときも、
自分では
「これくらい普通なのでは?」
と思ってしまう。

むしろ、もっと上手い人はいくらでもいるし、
こんなものを世に出していいのだろうか、
と不安になることの方が多かった気がします。

けれど、実際には

「説明がすごく分かりやすい」
「何を判断すればいいか整理されていて助かる」
「違和感の言語化がうまい」

そんなふうに言ってもらうことがありました。

人にそう言われて初めて、
ああ、これは自分にとって当たり前でも、
他の人にとっては価値になるのかもしれない、
と気づくことができたのです。

自分の強みに気づくためにできること

強みというのは、
資格のように分かりやすいものばかりではありません。

「そんなことで?」

と思うような小さなことの中に、
適性が隠れていることもあります。

・人の話を整理して聞ける
・相手が何を言いたいのかを汲み取れる
・違和感にすぐ気づく
・細かい変化を見逃さない
・何かを続けることが苦にならない

こういう特徴は、
本人にとってはあまりに自然すぎて、
それを価値だとは思わないことが多い。

ですが、仕事というのは
派手な才能だけで成り立っているわけではありません。

誰かにとっての
「助かった」
「分かりやすかった」
「安心した」

そういう小さな積み重ねの上に、
ちゃんと価値は生まれています。

自分の強みを探すときは、

「何がすごいか」

ではなく

「何が苦ではないか」

に目を向ける方が、
自分も周囲も幸せになれる道に近づけるのかもしれません。

では、どうすれば
自分の強みに気づけるのでしょうか。

いちばん分かりやすいのは、
自分が無意識にやっていることを見直してみることです。

たとえば、

・人からよく頼まれること
・昔からなぜか自然にやっていること
・頑張っているつもりはないのに続いていること
・人に褒められるけど、自分では「普通」だと思ってしまうこと

こういうものの中には、
強みの種が埋まっていることがよくあります。

逆に、

「これは苦手だな」
「こういう環境だとひどく消耗する」

という感覚も、
大事な判断材料になります。

強みを知るというのは、
「何が得意か」を探すことだけではありません。

どんな場所なら自然に力を出せるのか。
どんな環境だと、自分がちゃんと機能するのか。

そこまで含めて考えることが、
働き方を選ぶ上ではとても大切です。

向いていない場所で苦しんでいると、
人は簡単に自分を過小評価してしまいます。

本当は能力の問題ではなく、
ただ環境との相性が悪かっただけ、という可能性もあります。

思いつく限りの手を尽くしてもうまくいかないとき、
自分を責める前に

「このやり方は、自分に合っているだろうか」

と考えてみてほしいのです。

強みは、
新しく手に入れることもできますが、
実はすでに持っているものの中にあることが多い。

それに気づけたとき、
働き方や生き方の選び方も、
少しずつ変わっていくのかもしれません。

自分に合う場所を探すことは、
特別な才能を探すことではなく、

自分が自然にできることを、
ちゃんと見つけてあげることなのだと思います。

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