好きなバンドの魅力について考えた話

2~3年前、SNSでショート動画を次々眺めていたところ、
音楽ライブ映像の切り抜きと思しき動画が流れてきた。
その特殊な歌詞と勢いのあるメロディが印象的で、
思わずスクロールの手を止めて3周くらい見てしまった。

『なかなか面白い曲作るな~』
『なんていう名前のバンドなんだろう?』
『他にどんな曲があるんだろう?』

これが、ロックバンド「超能力戦士ドリアン」との出会いだった。

地方在住でそれほどアクティブでもない私は、
興味を持ったからといってライブ情報を調べるでもなく、
せいぜいサブスクで曲を聴くぐらいが関の山であった。

そんな中、2024年9月にABCラジオで
ツギハギ火曜日~超能力戦士ドリアンのたのしいラジオ~
という番組がスタートする。
radikoプレミアム会員にしてかなりのラジオ好きである私は
これ幸いと毎週聞くことに決めた。

ドリアンのラジオは聞いていて楽しい。
テンションの高い3人版『セトウツミ』のようだ。
仲がいいバンドメンバー3人が、
さまざまな話題について、ひたすら楽しそうに喋っている。

毎週ラジオを聞いていると、
メンバーそれぞれについての情報が増えてくる。
好きなもの、趣味、家族の話、今ハマっていること、などなど。
彼らの人となりが分かってくると、
自然とバンドに対する親近感が増していった。

ラジオでは、ライブの話もよく出てくる。
各地でのライブのエピソードや
ライブに行った人の感想などを聞いているうちに、
『ライブ楽しそうだな』
『全国ツアーどこに来るかな』
と思うようになった。

そして2025年11月、
全国ツアーの詳細が発表された。
ついに、隣県のライブハウスに
ドリアンが来ることになった。
もちろんチケットを申し込んだ。

これまで、コンサートホールや
ドームなどで開催されるライブに参加した経験はあるが、
ライブハウスでライブを見るのは初めてだった。

ライブハウスというと、私の中には
・若者が多そう
・常連や音楽に詳しい人が多そう
・独自の文化がありそう
というイメージがあった。
そろそろ中年にさしかかる年代の私には
ライブハウスは少し敷居が高い場所だった。

それでも躊躇わずチケットを申し込めたのは、
ドリアンがSNSやラジオなどを通じて
ライブの情報をたくさん発信してくれていたからだ。

ライブの雰囲気が分からない、というのは
新規ファンにとってはひとつの不安要素だ。
ドリアンの場合、SNSの投稿やラジオなどで
雰囲気は事前になんとなく掴めていたので、
あとはライブの日を楽しみに待つばかりだった。

そしてついにライブ当日。
会場に入って、観客とステージの近さに驚いた。
と同時に、『こんなに近くで見られるのか』と嬉しくもあった。

次に驚いたのが、観客の年代の幅広さだ。
下は小さい子どもから、上は私より年上と思しき方まで。
ドリアンのライブ会場は老若男女でひしめいていた。
そして私も含めそこにいるみんなが、
期待に満ちた表情で彼らの登場を心待ちにしているのが伝わってきた。

ドリアンのライブは、とても満ち足りた時間だった。

まず、ライブ序盤の注意点などのアナウンス。
この時に、
「身振り手振りはあくまで”提案”です。
 踊らずに見たい人、踊りたい人、
 それぞれ自分のペースで楽しんでください」
というようなことを言ってくれる。
これはどのライブでも必ず前置きしてくれるし、
SNS等でも度々発信してくれている。
ライブ初参加である私は、
このアナウンスがあることで、
気負うことなく自然体でライブを楽しめた。

ちなみに私自身は、「どちらかというと踊りたい人」である。
でも初参加のライブの場合、
曲は知っていたとしても、
どんな振りをするかまでは分からないものだ。
大抵はライブに何度も通って、
なんとなくこういうものだ、
と学習していくのだと思う。

しかしドリアンのライブは違う。
まずバンドメンバーによる振りの誘導が適時入るので、
迷う心配がない。
メンバーの提案に従ったり、
センターにいるボーカルのおーちくんを見ながら真似をする。
これだけで、踊りたい初心者でも
しっかりライブを満喫できる仕組みになっている。

そして、ライブ構成がとてもしっかりしている。
ストーリー仕立てで進むライブは新鮮で、
見る者を飽きさせない工夫が随所に仕込まれていた。
何より、最初から最後まで笑いに満ち溢れていた。

そこそこ長く生きてきたが、
まだこんなに楽しいことが世の中に存在していたのか!
と本気で思った。
「みなさんが楽しむためにライブをやっています」
という彼らの言葉は、嘘でも何でもない。
「お客さんを全員笑顔にする」という覚悟を垣間見た気がして、
胸の奥が暖かくなるライブだった。

こうして、初めてのライブから帰ってきた私は
以前より熱心なファンへとグレードアップしていた。
次のワンマンライブのチケットも早速申し込んだ。

私はなぜ、このバンドがこんなに好きになったのだろう?
ライブ体験を経て、
この心境の変化の原因について
なんとなく考えるようになった。

一風変わった楽しい曲を作る。
ライブがものすごく楽しい。
バンドメンバー同士の掛け合いも面白い。
でも、私が好きなのは
そこだけではないような気がした。

少し突き詰めて考えてみると、
・他者への敬意が感じられること
・自分たちができることに真摯に向き合っているところ
・自分たちも楽しみながら、人を楽しませているところ
こういう部分に特別魅力を感じているのだと思った。

これらはすべて、私が大切にしている価値観だ。
だからこそ好ましく思うし、少し憧れる気持ちもある。

私にとって「超能力戦士ドリアン」というバンドは、
大好きなロックバンドであると同時に
尊敬できる仕事人でもあるのだ。

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